こじらせ社長のお気に入り
「あいつが仔犬を飼うってなった時、あまりの可愛さに俺も飼いたいって言ったんだよ。だって、クリックリの目で、じっと見つめてくるんだぞ。そんなのイチコロだろ?」
ゴールデンの仔犬ちゃん……
その可愛さは想像できてしまう。思わず〝飼いたい〟って言ってしまうのもわかる気がする。
「その時俺、なんて言われたと思う?
あいつと奥さんの葵ちゃんと、その弟夫婦全員から、自分の面倒も見られないやつが犬を飼うなんて、無謀にもほどがあるだってさ。ひどいだろ?
瑞樹達夫婦が俺に言いたい放題なのはいつものことだけどさあ、義弟君とこの奥さんの陽菜ちゃんなんて、小さくてほんわかして、ザ・可愛い妹って感じの子にまで〝婚期が遅れそうですね〟なんて真顔で言われて、泣く泣く断念したわけ」
葵さんや陽菜さんがどんな方かよくわからないけれど、この人ならたぶん、いつものごとく、息をするように〝可愛い〟なんて連発して、すっかり軽んじられてる姿が想像できてしまう。
それにしてもこの人、女性関係だけ顔が広いんじゃなくて、人たらしっていうのかなあ……友人である副社長の奥さんまでならともかく、奥さんの弟夫婦とも面識があって、そんな扱いを受けてるって、なかなかないつながりだと思う。
社長の話がおもしろくて、ここへ来た時の緊張はすっかり解れていた。気付けば笑い声を上げているぐらい。
ゴールデンの仔犬ちゃん……
その可愛さは想像できてしまう。思わず〝飼いたい〟って言ってしまうのもわかる気がする。
「その時俺、なんて言われたと思う?
あいつと奥さんの葵ちゃんと、その弟夫婦全員から、自分の面倒も見られないやつが犬を飼うなんて、無謀にもほどがあるだってさ。ひどいだろ?
瑞樹達夫婦が俺に言いたい放題なのはいつものことだけどさあ、義弟君とこの奥さんの陽菜ちゃんなんて、小さくてほんわかして、ザ・可愛い妹って感じの子にまで〝婚期が遅れそうですね〟なんて真顔で言われて、泣く泣く断念したわけ」
葵さんや陽菜さんがどんな方かよくわからないけれど、この人ならたぶん、いつものごとく、息をするように〝可愛い〟なんて連発して、すっかり軽んじられてる姿が想像できてしまう。
それにしてもこの人、女性関係だけ顔が広いんじゃなくて、人たらしっていうのかなあ……友人である副社長の奥さんまでならともかく、奥さんの弟夫婦とも面識があって、そんな扱いを受けてるって、なかなかないつながりだと思う。
社長の話がおもしろくて、ここへ来た時の緊張はすっかり解れていた。気付けば笑い声を上げているぐらい。