こじらせ社長のお気に入り
「……私、学生の頃まで、主体性が全くない人間で……流されるまま、なんとなく進学先を決めて、告白されるまま人と付き合ってきたんです」
私を好きだと言ったことのある人の前で、こんな話をするのは……
少しだけ戸惑いもあったけれど、聞かせてほしいと言ったのは社長の方だと、腹を括って続けた。
「3人目の彼と付き合っていた時、突然言われたんです。柚月は俺のこと好きじゃないだろ。なんとも思ってないだろって。なんの前振りもなかっただけに、すごく衝撃的でした。
それまで付き合っていた人達からも、同じようなことを言って別れを切り出されてきました。これはいよいよ自分に何か問題があるんじゃないかって、それで、親友に相談したんです。そしたら、私には自分の意思はないのかって、直球で言われました」
私の独白を、社長は目を逸らさずに静かに聞いている。
「それで初めて、自分はこれまで流されるまま生きてきたって気づいたんです。それから、なんとしてでも変わりたくて、まずは就職を目標に資格を取ろうって、がむしゃらに頑張ったんです」
ここからは、社長も見ていた私だ。
チラリと様子を伺えば、その先を促すように、口を挟むことなく見つめ返された。
私を好きだと言ったことのある人の前で、こんな話をするのは……
少しだけ戸惑いもあったけれど、聞かせてほしいと言ったのは社長の方だと、腹を括って続けた。
「3人目の彼と付き合っていた時、突然言われたんです。柚月は俺のこと好きじゃないだろ。なんとも思ってないだろって。なんの前振りもなかっただけに、すごく衝撃的でした。
それまで付き合っていた人達からも、同じようなことを言って別れを切り出されてきました。これはいよいよ自分に何か問題があるんじゃないかって、それで、親友に相談したんです。そしたら、私には自分の意思はないのかって、直球で言われました」
私の独白を、社長は目を逸らさずに静かに聞いている。
「それで初めて、自分はこれまで流されるまま生きてきたって気づいたんです。それから、なんとしてでも変わりたくて、まずは就職を目標に資格を取ろうって、がむしゃらに頑張ったんです」
ここからは、社長も見ていた私だ。
チラリと様子を伺えば、その先を促すように、口を挟むことなく見つめ返された。