こじらせ社長のお気に入り
「で、でも、実際に秘書の仕事は誰にでもできることで、状況はどうであれ、私がミスしたんであって……」
「誰にでもできる仕事なんかじゃない」
「えっ?」
「俺の秘書は、誰にでもできる仕事じゃない。笹川ちゃんだから、俺の秘書に選んだんだ」
社長は熱い眼差し向けながら、私に語りかけてくる。
「秘書は総務の中から選ぶことになっていたんだ。でも、初めて君を見た時、俺はこの子に支えてもらいたいって思ったんだ。こんな真っ直ぐな目をした子がそばにいてくれたら、俺も変われるんじゃないかって思った。
公私混同って言われるかもしれないけれど、それでも、君にそばにいて欲しいって思ってしまったんだ」
社長はどうして変わりたいと思ったんだろう。自分のなにを変えたいと思ったんだろう。
私に向ける好意の種類が、いまいち掴めない。
「ごめん。なんでもない子には、可愛いとか平気で言えるけど、本当に伝えたい時に、言葉って出てこないもんだな」
そう照れたように苦笑する社長を見て、胸の奥がキュンとしてしまう。
考えてみたら、異性に対してこんなに切なく思うのは初めてかもしれない。
これまで付き合ってきた人達に対しても、こんな気持ちになったことは一度もなかった。それは勇斗に対しても。
「誰にでもできる仕事なんかじゃない」
「えっ?」
「俺の秘書は、誰にでもできる仕事じゃない。笹川ちゃんだから、俺の秘書に選んだんだ」
社長は熱い眼差し向けながら、私に語りかけてくる。
「秘書は総務の中から選ぶことになっていたんだ。でも、初めて君を見た時、俺はこの子に支えてもらいたいって思ったんだ。こんな真っ直ぐな目をした子がそばにいてくれたら、俺も変われるんじゃないかって思った。
公私混同って言われるかもしれないけれど、それでも、君にそばにいて欲しいって思ってしまったんだ」
社長はどうして変わりたいと思ったんだろう。自分のなにを変えたいと思ったんだろう。
私に向ける好意の種類が、いまいち掴めない。
「ごめん。なんでもない子には、可愛いとか平気で言えるけど、本当に伝えたい時に、言葉って出てこないもんだな」
そう照れたように苦笑する社長を見て、胸の奥がキュンとしてしまう。
考えてみたら、異性に対してこんなに切なく思うのは初めてかもしれない。
これまで付き合ってきた人達に対しても、こんな気持ちになったことは一度もなかった。それは勇斗に対しても。