こじらせ社長のお気に入り
「そう……Yesの返事はしたの?」

さっきから、社長の言葉が私の心を逆撫でする。キュンキュンしていたことも吹き飛んで、次第に腹が立ってくる。

「どうしてそんなことを言うんですか?察してとは言わないですけど、さっき私が好意を示したことを愛しいって言ったのに。
あなたが感じた通り、私、社長のことが好きです。いくら突き放されたからって、じゃあ勇斗ともう一度なんてできません。そんな流されるような自分は、もう嫌なんです」

突然大きな声で言い募る私に、社長が驚いた顔をした。

「初めてなんです。初めて自分から好きになったんです。あなたのことを」

感情がぐちゃぐちゃになって、自分でも理由がはっきりとわからない涙が、とめどなく溢れてくる。

突き放すように言われたことが哀しかった。
私の出す答えを、勝手に決められたようで嫌だった。
社長が、言葉では好きだって言うのに、私を受け入れる気がないように振る舞ってくることが、たまらなく心細かった。この人を好きになってはいけないと言われているようで……


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