こじらせ社長のお気に入り
「柚月、今笑っただろう?」

「えっ、いや……」

「俺が独身のまま朽ち果てていかないように、いずれきっちり責任を取ってもらうから、覚悟してて」

「おい、暴走男。想いが通じたからって、振り切りすぎだろ。キャラが変わりすぎだ」

「そんなのどうでもいい。俺も幸せになっていいんだろ?なら、全力で掴み取りに行かないと」

社長の言葉に、副社長がふっと笑いをこぼした。

「そうだな。今のお前は……悪くないな。
ああ、でも、有原さんという強敵もいるからな。さっさと手を打っておかないと、また取り逃すぞ」

「またって言うな!!昔のは取り逃したんじゃない。なんか違うって、俺の方から逃したの。
でも、柚月は絶対に逃さない」

この2人って……
口では悪口になりかねない応酬ばかりだけど、本当にお互いのことを大切に思っていることが伝わってくる。

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