こじらせ社長のお気に入り
「有原さんの存在が、正直、怖かった……柚月を掻っ攫われるんじゃないかと思ったら、彼女に想いを告げずにはいられなかった」
「でしょうね。あの日、あなたの会社で柚月と約束をしていた時、殺されるんじゃないかってぐらいの視線を向けてましたもんね」
穏やかじゃない言葉を連ねながら、勇斗は余裕たっぷりにクスリと笑った。
顔を上げられなかったあの時、颯太君はそんな表情をしていたんだ……
「柚月。この前俺の言った言葉は、全て本心だ。だけど、心がこちらを向いていない柚月をつなぎとめようとするなんて、俺の性に合わない。罪悪感があるならなんて、卑怯なことを言ってすまなかった」
「わ、悪いのは私の方だよ。私、勇斗を傷付けてばかりで……」
謝ろうとする私の唇に、勇斗が身を乗り出して人差し指をあてた。
私の隣からは、いまにも殴りかからんとする気配を感じる。
勇斗は意地の悪い笑みを颯太君に向けると、私から手を離した。
「でしょうね。あの日、あなたの会社で柚月と約束をしていた時、殺されるんじゃないかってぐらいの視線を向けてましたもんね」
穏やかじゃない言葉を連ねながら、勇斗は余裕たっぷりにクスリと笑った。
顔を上げられなかったあの時、颯太君はそんな表情をしていたんだ……
「柚月。この前俺の言った言葉は、全て本心だ。だけど、心がこちらを向いていない柚月をつなぎとめようとするなんて、俺の性に合わない。罪悪感があるならなんて、卑怯なことを言ってすまなかった」
「わ、悪いのは私の方だよ。私、勇斗を傷付けてばかりで……」
謝ろうとする私の唇に、勇斗が身を乗り出して人差し指をあてた。
私の隣からは、いまにも殴りかからんとする気配を感じる。
勇斗は意地の悪い笑みを颯太君に向けると、私から手を離した。