こじらせ社長のお気に入り
「私、どうしたらいいの……」

「それを自分で考えることが大事なんじゃないの?柚月が何かこうと決めたことがあったら、友人として全力で応援するよ。だから、自分はどうしたいのかを考えるの」

おっしゃる通りだけど、それこそ何から考えたらいいのかわからない。

「そうねぇ……手始めに、あと数年後に迫る卒業後のことを考えてみたら?どんな職に就きたくて、そのために何を頑張るのか。誰かと付き合うことより、もっと大事なことだよ。ほっといたら、柚月は就職浪人になりそうだもの。このご時世、さすがに流されるままで就職はできないわよ」

真理は、本当に同級生なんだろうか……
いや、違う。なんだかものすごく尊い存在のように思える。

「神様……」

思わず呟いた一言に、真理が吹き出す。もうたまらないといった様子で笑い出した。

「神様って……それ、私のこと?」

「う、うん」

「あはは……私は単なる友人その1よ。まあ、今一番柚月に近い存在だと自負してるけど」

「真理……大好き」

思わず、目の前に座る真理の手を握る。

「ありがとう。そうやって自分から〝大好き〟って心から伝えられる異性を見つけるのも、柚月の課題ね」

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