必殺スキル<子守り>だけで公爵夫人になっちゃいましたが、ほのぼの新婚ライフは幸せいっぱいです
 そういえば、ジークは朝もこうしてエイミの部屋を訪ねてきたのだ。なにかあるのだろうか。
そっ覗きこんでみると、彼はなにやら難しい顔をしていた。

「エイミ」
「は、はい!」

 ジークはエイミに向き直ると、神妙な顔で頭を下げた。

「アンジェラのこと、本当にありがとう。アンジェラを見つけられたのは、エイミのおかげだ」
「いやいや、私はなにも……」

 むしろ、母親代わりとして子供達のケアをできていなかった自分の責任は重い。エイミはジークにそう言って、侘びた。

「いや、子供達に向き合えていなかったのは俺の方だ。引き取って、衣食住の世話をするだけじゃ父親にはなれないんだな。怖がられているからとか余計なことを考えずに、これからはもう少し話をしたり一緒にいる時間を増やそうと思う」

 ジークはアンジェラの家出がかなりこたえたらしい。反省点もたくさん見つかったようだ。
 エイミはジークのこういう素直でまっすぐなところが、とても好きだと強く思った。
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