必殺スキル<子守り>だけで公爵夫人になっちゃいましたが、ほのぼの新婚ライフは幸せいっぱいです
「もちろんリーズが嫌なら断るぞ。俺は政治的な野心とかは全くないから、変な気は遣うなよ」
「そもそも、ハットオル家のほうが格上ですよ。小金持ち程度の家との縁談なんて、こちらにはなんのメリットもない」

 アルはいつも以上に刺々しい。

 リーズはじっと黙ったまま、ジークの話を聞いていた。だから、喜んでいるのか、嫌がっているのか、さっぱりわからない。

 しばしの沈黙の後、リーズはきっと前を睨みつけると、「受けてたつわ、その縁談」と高らかに宣言した。

 まるで決闘の申し込みを受けるかのようなノリで、エイミはリーズの様子に少し違和感を覚えた。

 だが、先方も社交辞令ではなかったようで、すぐにでも顔合わせをしてみようということで話は進んでいった。
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