必殺スキル<子守り>だけで公爵夫人になっちゃいましたが、ほのぼの新婚ライフは幸せいっぱいです
「いよいよ明日……なのよね」
 
 バーティ男爵家との縁談を明日に控え、リーズはいまだ着ていくドレスに悩んでいた。
 大人っぽい紺色か、清楚でお嬢様風のスミレ色か。

「う~ん」

 リーズ自身は明るい黄色が一番好きな色なのだが、子供っぽさが強調される気がして今回は却下した。

(でも、もし、例えば、縁談相手がアルだったら……)

 黄色のドレスもありかも知れない。彼の美しい金髪と調和が取れて、きっと素敵だ。瞳の色に合わせて、ペリドットグリーンのドレスも悪くない。それなら、靴は深いグリーンのもので決まりだ。

「って、相手はアルじゃないし!」

 はっと我に返ると、ぶんぶんと激しく首を振る。

「もういいや。こっちに決めた」

 リーズは紺色のドレスを手にすると、身体に当てて鏡の前に立った。
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