必殺スキル<子守り>だけで公爵夫人になっちゃいましたが、ほのぼの新婚ライフは幸せいっぱいです
 すごく似合うというわけではないが、落ち着いた印象で悪くない。無難な選択と言えるだろう。

「あとは靴とアクセサリーと……」

 リーズが準備を進めていると、部屋に誰かが訪ねてきた。コンコンと扉がノックされる。

「はーい。どうぞ」

 エイミが心配してきたのだろうか。そう思って、リーズが扉を開けると、そこに立っていたのはアルだった。

「アル? なんで!?」

 思わず、そう叫んでしまった。アルはバツが悪そうに視線を外した。

「ジーク様に言われたんだよ。リーズの明日の準備を手伝うようにって」

(あの気の回らないジーク様がそんな気の利いたことを?)

 リーズが不審に思っているうちに、アルがズカズカと部屋にあがりこんできていた。鏡の前にかかっている紺色のドレスを彼はじっと見ている。

「心配いらないってジーク様に伝えて。もう準備も終わるから」

 リーズはアルの見ているドレスや靴を片付けようとした。
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