必殺スキル<子守り>だけで公爵夫人になっちゃいましたが、ほのぼの新婚ライフは幸せいっぱいです
8章 困った訪問者
話は少し過去に__エイミが村を出た直後まで__さかのぼる。
その日、村の大人達は、祝いの宴の準備で慌ただしく働いていた。子供達はご馳走にありつける数少ない機会ということで、浮かれ騒いでいる。
「見た? 見た? 鹿のお肉がこ~んなにたくさん」
「スープもね、たくさん具が入ってたよ」
調理場をのぞき見に行った子らが、興奮気味にまくしたてる。
「うわ~。もうお腹がすいてきたよ」
「ね~。夜が楽しみ!」
はしゃいでいた子供のうちのひとりが、ふと冷静になって呟いた。
「けどさ……今日はなんのお祝いなんだっけ?」
「あれでしょ、村長のところのゾーイが帰ってくるから」
「でも、出かけてたのってほんの半月くらいでしょ。それも隣の村に」
「その前も王都に数か月遊びに行ってたよね」
「し~っ。遊びにじゃなくて、遊学って言わないと村長に怒られるぞ」
少し年長の少年が少女らをたしなめる。
「ゆうがく? なにそれ、新しい遊び? まぁ、いっか。ゾーイがどこかから帰ってくるたび、ご馳走が食べられるんだもん」
「そう、そう。ゆうがくでもなんでも、ゾーイにはじゃんじゃんお出かけしてもらおう!」
その日、村の大人達は、祝いの宴の準備で慌ただしく働いていた。子供達はご馳走にありつける数少ない機会ということで、浮かれ騒いでいる。
「見た? 見た? 鹿のお肉がこ~んなにたくさん」
「スープもね、たくさん具が入ってたよ」
調理場をのぞき見に行った子らが、興奮気味にまくしたてる。
「うわ~。もうお腹がすいてきたよ」
「ね~。夜が楽しみ!」
はしゃいでいた子供のうちのひとりが、ふと冷静になって呟いた。
「けどさ……今日はなんのお祝いなんだっけ?」
「あれでしょ、村長のところのゾーイが帰ってくるから」
「でも、出かけてたのってほんの半月くらいでしょ。それも隣の村に」
「その前も王都に数か月遊びに行ってたよね」
「し~っ。遊びにじゃなくて、遊学って言わないと村長に怒られるぞ」
少し年長の少年が少女らをたしなめる。
「ゆうがく? なにそれ、新しい遊び? まぁ、いっか。ゾーイがどこかから帰ってくるたび、ご馳走が食べられるんだもん」
「そう、そう。ゆうがくでもなんでも、ゾーイにはじゃんじゃんお出かけしてもらおう!」