必殺スキル<子守り>だけで公爵夫人になっちゃいましたが、ほのぼの新婚ライフは幸せいっぱいです
それはそうだろう。存在も知らなかった祖父が突然現れて、すぐに感動の再会という気分になれないのはエイミでもわかる。
ナットは困った顔のまま、話を続ける。
「それにさ、その爺さんが俺の本物の爺さんだったとして……どうしろって言うんだ? 死んだら、葬式でもあげてやればいいの?」
それには、ずっと黙っていたジークが口を開いた。
「ティーザー伯爵は、血のつながった孫と一緒に暮らしたがっている。それに、伯爵家には跡取りがいない。ナットに跡を継いで欲しいそうだ」
ナットはぴくりと眉をつりあげた。いつもの生意気そうな瞳が不安げに揺らいだ。
「そんな会ったこともない爺さんの都合なんて、知るかよっ」
「では、会ってやれ。話くらいは聞いてやれ」
ジークの声は決して冷たいわけじゃない。言っていることも正しいのだろう。
けれど……エイミにはナットの気持ちが痛いほどに伝わってきた。ナットはお祖父さんに会いたくないわけじゃないのだ。ナットが不安に思っていることは、きっと……。
ナットは困った顔のまま、話を続ける。
「それにさ、その爺さんが俺の本物の爺さんだったとして……どうしろって言うんだ? 死んだら、葬式でもあげてやればいいの?」
それには、ずっと黙っていたジークが口を開いた。
「ティーザー伯爵は、血のつながった孫と一緒に暮らしたがっている。それに、伯爵家には跡取りがいない。ナットに跡を継いで欲しいそうだ」
ナットはぴくりと眉をつりあげた。いつもの生意気そうな瞳が不安げに揺らいだ。
「そんな会ったこともない爺さんの都合なんて、知るかよっ」
「では、会ってやれ。話くらいは聞いてやれ」
ジークの声は決して冷たいわけじゃない。言っていることも正しいのだろう。
けれど……エイミにはナットの気持ちが痛いほどに伝わってきた。ナットはお祖父さんに会いたくないわけじゃないのだ。ナットが不安に思っていることは、きっと……。