必殺スキル<子守り>だけで公爵夫人になっちゃいましたが、ほのぼの新婚ライフは幸せいっぱいです
「……ジーク様?」

 エイミが呼ぶと、ジークは振り返り微笑を浮かべた。

「三つ子は眠ったか? なんだか機嫌が悪そうだったな。手伝えなくて、すまない」
「いえ。それは全然構わないですが」

 元々、子守りをするためにここに来たのだ。泣く赤子のひとりやふたりや三人、エイミにはなんてことはない。
 
 ただ、三つ子が泣いているのにジークが様子を見にこなかったことなんておそらく初めてで、それは気にかかった。

 エイミは小さく息をはくと、ジークの隣に腰をおろす。

「ジーク様」
「うん?」
「私、ちょっと怒ってます」

 上目遣いに彼を見やった。ジークは気まずそうに視線を外す。
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