必殺スキル<子守り>だけで公爵夫人になっちゃいましたが、ほのぼの新婚ライフは幸せいっぱいです
「そうか。エイミもナットの味方……か」
「いいえ。私いつだってジーク様の味方ですよ。妻ですから」

 エイミがきっぱりと言い切ると、ジークは少し驚いたようにこちらを見返す。エイミは続けた。

「なんで、ジーク様自身が望んでもいないことをナットに言っちゃうんですか? ナットがいなくなったら、一番寂しいのはジーク様のくせに」
「うっ」

 エイミの言葉にジークはがくりと肩を落とした。いつもは頼りがいのある背中がどんどん小さくなっていく。

「だって、せっかく血の繋がった親族が見つかったんだ。家族は一緒にいるべきだと……俺は思う」
「ナットにとってはジーク様だって大切な家族ですよ!」
「俺より実の祖父のほうが大切だ」
「それはナットが決めることじゃないんですか?」

 エイミとジークは睨みあった。しびれを切らしたのはエイミの方だ。
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