必殺スキル<子守り>だけで公爵夫人になっちゃいましたが、ほのぼの新婚ライフは幸せいっぱいです
「約束破ったら、許さないからね」
「わかったから。用がそれだけなら早く帰れ。そんで、さっさと服を着ろ」
「ちゃんと着てるわよ。オシャレな夜着を」
「子供のくせになにがオシャレだ。腹を冷やして風邪ひくのがオチだろう」
「…………」

 子供。そのひと言がリーズの心を深く傷つけ、怒りの導火線に火をつけた。
 反応がないことに気がついたアルが振り返る。

「どうした?」

 リーズはうつむき、唇を噛みしめている。その様子を見たアルは小さくため息を漏らした。その態度がまたリーズを怒らせる。

「……子供じゃないもん。もう子供じゃない! 私のこと、ちゃんと見てよ」

 言いながら、リーズは夜着のボタンを外していく。なめらかな白い肌も、三年前よりずっと成長した胸も、すべてをさらけ出してみたというのに、アルはやっぱり眉ひとつ動かさなかった。
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