必殺スキル<子守り>だけで公爵夫人になっちゃいましたが、ほのぼの新婚ライフは幸せいっぱいです
  エイミがハットオル家での暮らしにすっかり慣れたころ、事件は起きた。

 その日、リーズやナット、アンジェラは家庭教師について勉強をしていた。ジークとアルは領地の視察で不在だった。エイミはいつも通り、三つ子達の世話をしながら、掃除に励んでいた。

「よし、窓はピカピカで完璧だわ。それじゃあ、三つ子達とお昼ご飯にしようかな~」

 エイミはトマス爺が朝のうちにこしらえてくれたサンドイッチを、三つ子達には野菜を柔らかく煮たスープを作ってあげることにした。

(ジーク様とアルも午後には戻ると言ってたから、スープは多めに作っておこう)

 エイミは三つ子達を連れ、ご機嫌で厨房に向かった。

「うん。トマスさんには到底及ばないけど、美味しくできた!」

 エイミは味見をおえたスープを、鍋ごと食卓に運ぶ。

「はい、こっちはマクシム。こっちはレオルドのよ」

 三つ子達を椅子に座らせ、スープをいれた器を置く。食事はやんちゃなマクシムと食いしん坊のレオルドを優先し、おっとりしているシェリンには少し待っていてもらうのがいつもの流れだ。彼は三人のなかでは一番食が細く、食べさせるのに時間がかかるのだ。
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