必殺スキル<子守り>だけで公爵夫人になっちゃいましたが、ほのぼの新婚ライフは幸せいっぱいです
「この俺が、エイミとは、普通に話ができるんだ! 他の女とじゃ、こうはいかない」
「はぁ、まぁ、ど天然のジーク様と空気の読めない烏ちゃんは『一般人とのズレ』という点から、気が合うのかも知れないですね。けど……ジーク様、比較するほどその他の女性を知らないでしょうが」

 ジークが会話する女なんて、リーズとアンジェラ、ゾフィー婆やくらいなものだ。キャロルにすら苦手意識を持っていることを、アルはもちろん見抜いている。

 要するに、ジークは子供と老婆しか知らないのだ。

「いや、エイミがいい理由は他にもあるぞ」
「なんですか?」

 どうせしょうもないことだろう。そう思いつつも、アルは一応聞くことにした。

「……エイミは美しい。初めて見たとき、驚いた」

 アルの想像以上にしょうもなかった。

 エイミは、あの黒髪と黒い瞳を抜きにすれば、悪くはない顔の造りだ。
が、それだって悪くないというレベルの話で、美女というにはかなり無理がある。
大体、女性の美貌を語るうえで、髪と瞳は抜きにはできない重要パーツだろう。
< 58 / 243 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop