必殺スキル<子守り>だけで公爵夫人になっちゃいましたが、ほのぼの新婚ライフは幸せいっぱいです
「じゃ、じゃあ、一番安価なもので」
「え~! そんな夢のない決め方、絶対反対!」

「ゾフィーはどうしたんだ?」

  一番張り切っていたはずの彼女が見当たらない。ジークはキャロルに尋ねた。
 キャロルはうふふと意味あり気に微笑んでみせる。

「お隣の部屋にいますよ。ドレスよりその下の肌を磨くことが大事だって言って、あれこれと香油の調合を考えているみたい」

 療養しろと言っているのにと、苦々しく思いつつも、うるさいゾフィーがこの場にいないのはジークにとって好都合だった。

 ドレスの海に取り残されているエイミに、ジークが一歩近づく。

 エイミはびくりと身体を強張らせた。

(ダメだ。ドレス選びくらいで、忙しいジーク様の手を煩わせるなんて。でも、ドレスの選び方なんてわからなくて、どうしていいかわからない…)
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