必殺スキル<子守り>だけで公爵夫人になっちゃいましたが、ほのぼの新婚ライフは幸せいっぱいです
「いいや。思った通り、よく似合っている」
「えぇ~」
「それに、これはお前が俺の妻だという証でもある。俺のためだと思って、いつも身につけておいてくれ」

 ジークのため。そう言われれば、エイミは否とは言えない。

「……バチが」
「うん?」
「バチがあたる気がします。ジーク様のような素敵な方と結婚できただけで分不相応なのに、結婚式やドレスや指輪や、きっと一生分の運を使い果たしました」

(そもそもついてないことだけが特徴だったような私に、こんな奇跡のような幸運が訪れるなんて、なにかの間違いかも知れない)

そんなことを考えていたエイミに、ジークはまた優しい言葉をくれた。

「では、エイミにあたるバチの半分は俺が引き受けるし、俺に残っている幸運の半分をエイミにあげよう」

  ジークの笑顔が眩しすぎて、直視できない。

「……ジーク様はいい人過ぎます」

 こんな素敵な男性、やはり自分には分不相応だとエイミは改めて思った。

「でも、夫婦とはそういうものだろう。幸運も不運も分け合いながら、これから共に生きていくのだ」

ジークはそう言って、エイミを見つめた。
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