必殺スキル<子守り>だけで公爵夫人になっちゃいましたが、ほのぼの新婚ライフは幸せいっぱいです
6章 アンジェラの反乱
 シーツにくるまりながら、エイミは迷っていた。

 空はすでに明るくなり始めている。いっそのこと、もう起床してしまおうか。でも、あんまり早起きしてジークとふたりきりにでもなってしまったら、とても気まずい。

「あ~もう~」

 ごろん、ごろんと布団の上を転がる。

(別に悩むことじゃないはずなのよね。ジーク様は子供達に母親をってことで、私と結婚したんだもの。妻として望まれているわけじゃない)

 ジークはエイミを女性として愛しているわけではないし、今後もそんなつもりはないだろう。彼は最初から、そのスタンスをきちんと示していた。
 
 それなのに、勝手に淡い期待を抱いてショックを受けてしまったのだ。

(期待するのもおこがましいことだわ。恥ずかしい、穴があったら入りたいくらい)

 エイミは穴に入るかわりに、頭からすぽりと布団をかぶった。
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