恋愛回数券
何時までたっても、離れるそぶりの見せないその女に、頭上から吐き捨てる。
「何時までやってんの?何??」
女は俺の低い声にビクリと反応し、顔を上げた。俺の背中に回された腕がほどかれる。
口をへの字にして、何かを訴える目で俺を見ていた。
「ごめんね。こうして、抱き付くのも、今日で最後だから。」
女の口元が震える。目を合わせ様としない女の眼球。
「はっ…?最…後?!」
不意に頭の中が真っ白になった。そぅ、真っ白に。
俺の動揺に気付いた女は、少し距離を置いて俺を見た。
改めてみた女は泣いているのか、目が赤かった。
近くのソファーに腰掛け床を見つめ話し出す女…
静かに口を上下させる。