恋愛回数券
「別れよう。…付き合った時点でね、他の女の子の存在は知ってた。でも、初めのうちは私が振り向かせる自信があったんだ。…でも、貴方、私と居ても笑わないし…お金目当てで…心がスッポリ抜けたみたぃだもん。このままだと…ホントに貴方の事、嫌いになっちゃう。嫌いになりたくなぃの。だから…別れよう。」
女の言葉に俺の心はピクリと感じた。
立ち尽くした俺は、壁にもたれかかり、煙草に火を付けた。
手が震える。
自然体のはずなのに。
コイツはずっと悩んでたんだ。只、俺を信じて貢いでた数えきれないバカの一人。
他の女も知っていて、目を伏せていた。馬鹿者。