恋愛回数券
崩れた俺は、静かにライトで反射する床を見つめた。
そして、静かにアイツに言ってやった。
本当の俺の言葉を…
「別れ際まで、笑うんじゃねーよ。馬鹿みたぃ……馬鹿みてぇに愛してる。」
手元の煙草の灰が潰れた。
俺の言葉はどしゃ降りに掻き消され、アイツの居場所まで届かず。
遅すぎる二人の始まりは、どしゃ降りと共に流れた。
今日も女達は、俺の部屋に訪れる。
化粧臭い顔と香水と笑顔を下げて。
名も忘れた女達は、俺を求める。
俺の愛した女は…