恋愛回数券
顔の消えたストラップ
世間は只今…夏休みに浸っている。
学生達は宿題と言う見えない強敵にじわりじわりと追い詰められ、最終的に泣きながら徹夜で疾風の如くペンを走らせる。
そんな運命がにんまりと鈍りきった日常で笑う。
そして、囁くんだ。
“まだ時間はある”
と…。
その台詞ゎ甘美で一気に恍惚状態になり全身麻酔の様に時間的感覚さぇ奪う。
これは、ある意味『登竜門』なんだと俺は思う。
そぅ、誰しもが経験する大人への儀式…
かつれいみたいなものだ。
もちろん俺も儀式に参加したその一人。
しかも、俺の場合は仕上げなかったが…
仕上げる気力さぇ残っていなかった。
真っ白なバージンの夏ドリル達を見た教師は、目をむいて呆れ返っていたっけ。
俺が唯一…手を付けなかった処女達だ。