恋愛回数券


雅巳は、俺が知ってる中でも最も女に近かった。

素質ではなく…見た目だが…


華奢な後ろ姿は、一瞬誰もが振り替える程だ。
クリッとした子犬顔負けな黒目が印象的な身長150cmのplayboyで『年上キラー』何て笑えないあだ名まで密かに付いていた。

えくぼの裏に隠された腹黒は神のみぞ知る。







まだ賑わいのなぃ繁華街の片隅で俺達は毎回会合を開く。

会合と言っても、単なる下らない会話に過ぎない。


属にいう、井戸端会議だ。


しかし、俺達は何よりもこの時間を楽しみにしていた。

成瀬なんか先程まで、先週知り合ったグラビアアイドルよりの美人とのDataを蹴ってまで参加する程の熱心ぶり…

自慢気に…恨めしそうな目で見る哀愁に浸った彼女の顔を再現してみせた。

< 21 / 26 >

この作品をシェア

pagetop