恋愛回数券


「そー言えば雅巳、お前彼女ぃいのか?!」


俺は成瀬の言葉を綺麗に流す。
全く眼中にしない。

俺のそんなあっけないノータッチに成瀬は大口開けて驚いていた。

“信じられない”

と言ったところか…


しかし俺は、成瀬を視界には入れず雅巳にだけ会話の扉を開く。


「嗚呼…ミキヮ今日バイトらしいから…」

雅巳は少し控え目に答える。
相当…成瀬が気になるようだ。

雅巳は今16歳離れた女社長と付き合っている。
色艶の取れた肌を綺麗だと豪語し、“ミキ”と名前で呼び捨てる。

まさに、『年上キラー』だ。
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