恋愛回数券

身を乗り出す様にして成瀬が首を挟む。

「アホらしぃ?!!この間本命のアルバイトに捨てられた成瀬に言われたくなぃよ!!確か、30万のバック貢いだ次の日バックレたんだょねぇ~!アホらし!!!!」


無理矢理使った関西弁は上擦っていた。
必死さが滲み出ている。

言われた成瀬は…



「なんゃとぉ~!!!このクソガキ!!それは触るな言うとるゃろ!!しかもな、『貢いだ』んぢゃあなぃわ!!『プレゼント』したんゃあ!!言葉にきぃ~つけ!!このドアホ!!」



まるで猫の威嚇みたく背中の毛が逆だっているのが見えるみたぃだ。

相当古傷に染みたらしく…“貢いだ”何て認めたがらない。

この様子では…まだ彼女の事を好いている様だ。
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