恋愛回数券


俺は胸ポケットから、お気に入りの携帯を出し、軽くプッシュする。
携帯の表には、演じて作った腐った俺が名も忘れた女と肩を回してピースをしているプリクラが何枚も貼ってある。

全て、この女の要望だ。

こうしていれば、次会った時に、まだ貼ってある事に安堵し、金回しが良くなるんだ。
只、貼ってるだけなのに、『飼い馴らしてる』何て勘違いしてる。

本当に、愚かな女だ。

俺はその女の金で…他の女の為の物を買い与え、次から貢がせえる。

女なんか、単純だ。

俺は心で笑った。


少し茶髪に染めて、少しピアスを誰もが開けない所に開けて、少し個性的にして、気取っていれば…女何か蝿の様に俺にタカるんだ。


俺は一人の女を本気で愛したことなんかなぃし、これからもないと思う。

小学生の頃から“カッコいい”と言われていたので、俺にとっては挨拶変わりの台詞で嬉しくもなんともない。
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