恋愛回数券


やっと静かになった、部屋で一人煙草をくゆらせる。

今、俺が手に入らない物はない。

金だって…時間だって…飯も服も女も…何だって…手中にぁる。


だけど、結局俺は何も得られない。両手のガラクタは全て一時的で永続する幸せと満足感なんかなぃ。




俺は一体、何を掴んだのだろう。



女達と遊んでいる時よりも、こうして、一人溜め息を付いている時の方が多いのは何故だ。



沢山のブランド品と、金にまみれた部屋の片隅で俺は笑わない。

幸せなんかじゃあない。




俺が本当に、欲しかったのはキレイな女でも、札束でも、ブランド品でも無かった。






今日も、窓の外は薄曇り、低い空。

俺は、潰れたまま欲に溺れた。
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