新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~
だから俺もなにかと気になってしまうのかもしれない。
そんなことを考えていると、なにも言わない俺に痺れを切らしたのか距離を縮めてきた。
彼女の顔が近づいてきて、思わず息を呑む。
なにをこんなにも動揺しているんだ? 俺らしくない。
しかしこっちの事情を知る由もない川端は、答えを急かす。
「どうなんですか?」
「……っ! 大丈夫、根気強く説得するつもりだから心配するな。話は以上だ」
一方的に言って俺は足早に会議室を後にした。
「なにやっているんだ」
深いため息を漏らしてオフィスへと戻る。
今までだって彼女と距離が近づくことは度々あった。それどころか俺、川端の頭を撫でて、触れてもいたよな? それなのに近づいてきただけで動揺するとは……。
「彩香のせいだな」
さっきあいつに変なことを言われたからだ。
そう自分に言い聞かせ、業務にあたった。
その後はとくに川端を意識することはなく、二週間が過ぎた。何度か父さんに会いに行ったが、門前払い。彩香の両親も連絡を取ろうにも、取り合ってくれないそうだ。
それでも陸と彩香はめげることなく、ふたりで乗り越えようとしている。
そんなことを考えていると、なにも言わない俺に痺れを切らしたのか距離を縮めてきた。
彼女の顔が近づいてきて、思わず息を呑む。
なにをこんなにも動揺しているんだ? 俺らしくない。
しかしこっちの事情を知る由もない川端は、答えを急かす。
「どうなんですか?」
「……っ! 大丈夫、根気強く説得するつもりだから心配するな。話は以上だ」
一方的に言って俺は足早に会議室を後にした。
「なにやっているんだ」
深いため息を漏らしてオフィスへと戻る。
今までだって彼女と距離が近づくことは度々あった。それどころか俺、川端の頭を撫でて、触れてもいたよな? それなのに近づいてきただけで動揺するとは……。
「彩香のせいだな」
さっきあいつに変なことを言われたからだ。
そう自分に言い聞かせ、業務にあたった。
その後はとくに川端を意識することはなく、二週間が過ぎた。何度か父さんに会いに行ったが、門前払い。彩香の両親も連絡を取ろうにも、取り合ってくれないそうだ。
それでも陸と彩香はめげることなく、ふたりで乗り越えようとしている。