新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~
 ゆっくりと腕を退けると、ジョージさんは優しく微笑んだ。

「ありがとう。……それと悪かった。カッコ悪いところを見せて」

 そんなことない。そう言うように膝を折って首を左右に振った。

「最初から川端には、素の自分でいられたからだろうな。弱音も吐ける。……でもここまで素直な自分でいられるのは、お前が初めてだよ」

「えっ?」

 ドキッとするようなことを言って、ジョージさんはゆっくりと瞼を閉じた。

「ジョ、ジョージさん?」

 少しして寝息が聞こえてきた。

「嘘でしょ、ジョージさん?」

 身体を揺するも、起きそうにない。

 あ、あんまりではないですか? あんな意味深なことを言うだけ言って寝落ちするなんて。
 それに相当酔っていたもの。絶対に明日の朝になったら、なにを言ったか覚えていないパターンじゃない?

「もう。どういうことですか? ジョージさん」

 ベッドに顎を乗せ、寝ている彼にずっと思っていても伝えることができずにいた想いを吐露していく。
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