新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~
 もうなにを言っているのかもわからない。ただ、恥ずかしくて死にそう。

「川端、俺……」

 ジッと見つめられ、なにか言おうとしたジョージさんの手を、思いっきり振り払った。

「すみません! 失礼します!!」

 一刻も早く立ち去りたくて、一方的に言って部屋を飛び出した。

「川端!?」

 すぐに私を呼ぶ声が聞こえたが、足を止めることなく自分の部屋に飛び込んだ。
 そのままドアに寄りかかり、乱れた呼吸を整える。

「私ってば、いったいなんてことを言っちゃったの?」

 いや、完全にジョージさんは寝ていたよね。だから私も安心して好きだと口走ってしまったわけで。

 まさかそれを聞かれているとは、夢にも思わないじゃない?

 あれ? でもジョージさん、信じてもいいって言ったよね? 初恋は実るものだって。
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