新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~
『思いがけない告白』
 セットしたスマホのアラームが鳴る前に止めて、ゆっくりと起き上がる。
 だけどほとんど寝ていないせいで頭が重い。

「そろそろ起きないといけないよね」

 準備をしないと会社に間に合わなくなる。だけどベッドから降りると、自然とため息が零れた。

 昨夜、思いがけず告白してしまい、一晩中どうするべきかと考えた。しかし答えは出ず。
 と、とにかくジョージさんが私とのやり取りを覚えているかわからない。まずはいつも通りに挨拶をして、相手の出方を窺うしかないよね?

 そう結論づけて、恐る恐るリビングへ向かう。

 いつもだったらジョージさんはいない時間。でも今朝はわからない。昨夜は相当酔っていたし、遅く出勤する可能性もある。

 もしかしたらもう起きていて、朝ご飯を食べているかも。

 足音を立てぬよう、まるで忍者の如く向かうと話し声が聞こえてきた。

「ねぇ、陸。今日は何時に帰ってこられそうなの?」

「うーん……担当さんと打ち合わせするだけだから、昼過ぎには帰れると思うよ」

「じゃあお昼は一緒に食べられるんだよね? やった! おいしいランチの店を見つけたの。行かない?」

「いいね、行こう。せっかくだからその後、デートしてこようか」

「嬉しい! じゃあデートらしく、外で待ち合わせしたい」

 耳を塞ぎたくなるような甘いやり取りをしているのは、大家さんと金子さんだ。
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