新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~
 井手君に連れられてやってきたのは、木のぬくもり溢れるオシャレな空間が広がる、イタリアンレストランだった。

「ここ、ピザがうまいって有名なんだ。大学の友達に教えてもらって、一度来てみたくて」

「そうだったんだ」

 井手君の言う通り、到着するとすでにほとんどの席が埋まっていて、すぐに満席になってしまった。外には大勢の人が列を作って待っている。

 メニューのピザはどれもおいしそうだし、期待が高まる。

 店で一番の人気の商品と、井手君の友達オススメを注文すると、すぐにセットのドリンクが運ばれてきた。

「あの、井手君。さっきはありがとう」

 そこで改めてお礼を言うと、井手君はふわりと笑った。

「礼を言うことじゃないよ。俺が行かせたくなかっただけだから。新川部長と川端さんを、ふたりっきりにさせたくなかった」

「えっ?」

 意味深なことを言うと、井手君は真剣な表情を見せた。

「実らない恋を続けるなら、俺と恋愛しようよ」

「えっ……えっ!?」
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