新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~
「盛り上がっているところ、すみません。先輩方には申し訳ないんですが、俺と川端さんは付き合っているわけではないんです」

「えっ?」

「あら、そうなの?」

 私より先に否定したのは、井手君だ。そして私に目配せすると、先輩たちに向かって言った。

「付き合ってはいませんけど、俺は絶賛川端さんに片想い中なんです。だから先輩! 俺の恋が実るよう、色々と協力してくれると嬉しいっす」

 ちょ、ちょっと井手君!? なんてことを……!

 井手君の話を聞いた先輩たちには案の定、「マジかー! 頑張れ、井手!」「応援してるよ」「川端さん、井手君は絶対優良物件だって!」と言われる始末。

 ジョージさんもいるというのに、本当にやめてほしい。

「えっと……ですね」

「もちろん新川部長も応援してくれますよね? 俺の恋を」

 含みのある言い方をする井手君を見れば、挑発的な目をジョージさんに向けていた。

 やだ、怖い。ジョージさんの答えなど、聞きたくない。
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