新婚未満のかりそめ初夜～クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする～

　そんなやり取りをすること数分、ジョージさんは「ごめん、ごめん」と言いながらポンと私の頭に触れた。

「いいところで川端が逆上せるからさ。ちょっとイジワルしたくなった」

「……あんまりです」

　頬を膨らませて抗議をしているというのに、ジョージさんの私を見る目はどんどん甘くなる。
　手にしていた漫画を置くと、ジョージさんはジッと私を見つめた。

「なぁ、川端。……彩香の送別会の日の夜さ、俺が聞いたことは夢じゃないんだよな？」

　金子さんの送別会の日――。ジョージさんが寝ていると思って、告白したことだよね？　やっぱりジョージさん、起きていたんだ。

　恥ずかしいけど、嘘をついて隠す必要もない。

「えっと……はい」

　素直に認めると、ジョージさんはため息をつきながら私に体重を預けた。

「ジョージさん？」

　彼の身体を受け止めつつ、戸惑う。どうしたんだろう、ジョージさん。

「夢だと思っていたことが現実で嬉しいけど、夢じゃないなら、俺がお前に弱音を吐いたことも現実なんだよな。……カッコ悪いな、俺」

　再びため息を漏らすジョージさんには悪いけど、落ち込む姿がなんだか可愛くて頬が緩む。