新婚未満のかりそめ初夜～クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする～
「井手には俺から話すよ。……彩香のこともあるから、内密にしてくれるようにも頼む」

　顔を上げると、ジョージさんは眉尻を下げた。

「会社のみんなには俺と彩香の関係を伏せてもらっていたというのに、俺がバラすことをしてしまい、すまなかった。……川端が井手といるところを見て嫉妬したんだ。川端を取られたくない一心で後先考えることができなかった」

　うっ……！　どうしよう。ジョージさんは謝るけれど、私はただ嬉しい。

　だってジョージさんが嫉妬してくれたなんて……。

　言葉が出ずにいると、「井手のことは俺に任せてくれるか？」と聞かれ、首を縦に何度も振った。

　彩香さんとジョージさんの関係については、彼から話してもらったほうがいいだろう。

「私からも井手君にちゃんと話します。……自分の気持ちを」

　好きになってくれた井手君に、自分の口からちゃんと伝えたい。

「……わかった」

　とは言うものの、なぜかジョージさんは不服そう。
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