新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~
「わかったけど、やっぱりおもしろくない。井手とふたりっきりになるってことだろ?」

「えっと、ふたりっきりにならないと、話をできないじゃないですか」

「それはそうだが……」

 再びギュッと私を抱き寄せると、「手短に済ませてくるように」なんて言う。

 ジョージさんってば、どれだけ独占欲強いんですか?
 だけど決して嫌じゃなくて、嬉しいと思えちゃう。

 幸せすぎて「ふふ」と笑うと、ジョージさんは私の顔を覗き込んだ。

「なにが可笑しいんだ?」

「いいえ。そうじゃなくて、幸せだなって思って」

 素直に感じた気持ちを伝えると、ジョージさんは目を細めた。

「なぁ、涼って呼んでいいか?」

『涼』。自分の名前なのに、好きな人に呼ばれただけで特別に聞こえる。
もちろんいいに決まってる。たくさん呼んでほしい。

「はい」と返事をすると、さっそく彼は私の名前を呼んだ。

「じゃあ涼。聞いてもいい?」

「なんでしょうか?」

 自分の額を私の額に押し付け、ジョージさんは甘い声で言う。

「初めてのキスがベッドの上では嫌か? やっぱり漫画のように夜景をバッグに? それとも満天の星空の下?」

「えっ!?」

 とんでもない質問に大きな声が出てしまう。

「えっと……」

 どうしよう、なんて答えたらいいの? でもジョージさんとキスだなんて……! まだ心の準備ができていない。
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