新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~
 さっきみたいに逆上せて気を失わないだろうか?

 オロオロしていると、ジョージさんは苦しげに顔を歪めた。

「そういう顔をされると、涼の理想を叶えてやれそうにない。……もう限界、キスさせて」

 私の返事を聞く前に早急に塞がれた唇。

 視界いっぱいに彼の整った顔があって、目を見開く。すぐに唇は離れるけれど、再び塞がれてギュッと瞼を閉じた。

 初めてのキス。胸が苦しくて、呼吸はどうやってすればいいのかわからない。

 そ、それよりもドキドキし過ぎて心臓が壊れそう。

 しかし私の事情を知らないジョージさんは、触れるだけのキスを何度も落とす。

「んっ……」

 だ、だめだ。息がもう限界!

 たまらず彼の胸をトントンと叩くと、やっとキスをやめてくれた。その瞬間、大きく息を吸い込み呼吸をする。

 そんな私を見てジョージさんは目を瞬かせた後、顔をクシャッとさせて笑った。

「もしかして涼、ずっと息を止めていたのか?」
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