新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~
「俺らにも教えてくださーい!」

「くださーい!」

 ノックもナシに部屋に入ってきた大家さんと金子さんに、私たちは驚き固まる。

 そんな私とジョージさんを見て、ふたりはニヤリと笑った。

「そろそろ涼ちゃん起きたかなと思って声をかけにきたら、おもしろい話をしているじゃない? 思わず陸を呼んじゃったよね」

「彩香とふたりで聞き耳を立てていたら、ジョージがあまりに歯ガ浮くような恥ずかしいことを言うものだから、我慢できず入ってきちゃったよ」

「ごめんね、ジョージ。涼ちゃんにキスのときの呼吸の仕方を伝授させてあげられなくて」

 必死に笑いをこらえながら「ごめん」という大家さんと金子さん。

 えっと、つまりジョージさんとの一連のやり取りを聞かれていたってことだよね?

 状況が理解できると逃げ出したくなるほど恥ずかしくて、慌ててジョージさんから離れてベッドから降りた。

 するとますますふたりは、ジョージさんをからかう。

「ジョージってば、好きな子にはイジワルしちゃうタイプだったのね」

「いや~あんなセリフを言うジョージの顔も見たかったよ。どんな顔をして言っていたんだ? 今見せてくれよ、ほら」

「お前ら……!」
< 180 / 277 >

この作品をシェア

pagetop