新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~
 手を大きく左右に振って否定するも、ジョージさんはニヤニヤしている。

「本当に? なんなら俺は部屋の風呂でもいいけど……」

「大浴場に行きましょう!!」

 大きな声で言って彼の腕を掴み、大股でドアのほうへと向かう。

 私に腕を引かれながら、ジョージさんは「クククッ」と声を押し殺して笑っている。

 もう恥ずかしすぎる。これじゃまるで私、期待しているみたいじゃない?

 いや、期待していないといったら嘘になるけど、がっつき過ぎだって思われただろうか。
 グルグルと考え込んでいると、ジョージさんは掴まれていた手を解き、私の手を握りしめた。

「無理しなくていい。せっかく旅行にきたんだ。ゆっくり過ごそう」

「ジョージさん……」

 やだな、ジョージさんに緊張しているのがバレバレだったようだ。

「ここの露天風呂最高だから、ゆっくり浸かってこよう。その後の料理もうまいから楽しみにしてて」

「……はい!」

 どうしよう、また好きって気持ちが大きくなった。本当にジョージさんは優しい。

 彼が言っていた通り、露天風呂からの眺めが最高だった。ゆっくりと手足を伸ばして浸かり、非日常感を満喫。
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