新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~
 お風呂から出てジョージさんとふたりで部屋に戻ると、すぐに料理が運ばれてきた。
 旬の食材を使用した郷土料理は見た目も美しく、味は文句なしにおいしい。

「さっきから何度おいしいって言うんだ?」

「だって本当においしいんですもん」

 こればかりは笑われたって仕方がない。

「まぁ、でもたしかに連呼したくなるほどうまいな」

「そうですよね! お肉なんてとくに最高です」

「あぁ」

 料理の感想を言い合ったり、今日の話で盛り上がったり、和やかな時間を過ごしていく。
 食事後は売店へ向かい、大家さんたちへのお土産を選んだ。

「涼、こっち」

 部屋に戻ると、ジョージさんは私を連れてバルコニーへ急ぐ。

 あれ? さっきは『無理しなくていい』って言っていたけど、やっぱり一緒に入る系ですか!?

 急展開に心の準備が整わない! とあたふたする私を連れてバルコニーに出ると、ジョージさんは露天風呂ではなく、ゆったりとしたソファ席へと足を進めていく。

 やだ、また勘違いしたようだ。だけどなぜバルコニーに?
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