新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~
「実は涼に渡したいものがあるんだ」

「渡したいものですか?」

 私もグラスをテーブルに置くと、ジョージさんは袖の袂から小さな箱を取り出した。

「受け取ってくれる?」

「これは……?」

 ジョージさんと差し出されたものを交互に見てしまう。

「涼は俺のものだって縛るアイテム」

「えっ?」

 クスリと笑って言うと、ジョージさんが箱の中から取り出したのは指輪。それを右手の薬指にそっとはめてくれた。

「まだ付き合って日も浅いけど、俺はもう涼以外の人と結婚するつもりはない。……近い将来、左手薬指に本物を贈らせて」

 左手薬指に本物って、つまり結婚指輪ってことだよね?

 ジョージさんの言葉を理解すると、じわじわと胸がいっぱいになる。

「は、い……」

 それでもどうにか震える声で答えると、ジョージさんは目を細めた。

「よかった、断られたらどうしようかと思ったよ」

「そんなっ……! 断るわけないじゃないですか。私だって結婚するならジョージさんしか考えられません」
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