新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~
 彼と結婚するということは、私が想像できないようなことが、この先の未来待っているのかもしれない。

 不安はないと言ったら嘘になるけど、それ以上に大好きなジョージさんと一緒にいたい思いのほうが強い。

「じゃあ誓いのキスをしようか」

「――え、んっ」

 私の返事を聞く前に、塞がれた唇。キュッと目を閉じると何度も触れるだけのキスが落とされる。

「好きだよ」と言われているような甘いキスに、胸が苦しくなる。

 少し物足りなさを感じながら、ゆっくりと唇は離れていった。そのスピードに合わせるように目を開けると、ジョージさんは深いため息をつきながら私を抱きしめた。

「ここまでにしとくよ。……これ以上したら歯止めが効かなくなりそうだ」

 えっと……それはつまり、そういうことをしたいってことですよね?

 私のペースに合わせてくれているんだ。すべてが初めての経験だから不安だし怖い。
 でもそれ以上に大好きな人に触れてほしい。
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