新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~
 それをどう伝えたらいいのかわからなくてなにも言えずにいると、ジョージさんは私から離れて立ち上がった。

「そろそろ寝ようか。明日も観光したいところがたくさんあるし」

「あっ」

 咄嗟に彼の浴衣の袖を掴んでしまった。当然ジョージさんは不思議そうに私を見る。

「涼……?」

 ジョージさんは無理しなくていいって言ってくれたけれど、決して無理しているわけではない。ジョージさんと身も心も結ばれたい。

 その思いが強くなり、自分でも驚くほど大胆な行動に出た。

「歯止め、効かなくてもいいです」

「えっ――」

 立ち上がると背伸びして、彼の唇に、自分の唇を重ねた。

「ジョージさんに触れてほしいです。……キスの先を教えてください」

 瞬きすることなく私を見つめる彼にそっと囁くと、ジョージさんは苦しげに顔を歪めた。

「そんなこと言われたら、もう止められる自信、ないからな」

「はい」

 返事を聞くと、ジョージさんは私の手を引き室内へ戻っていく。真っ直ぐ向かった先はベッドルーム。
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