新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~
「えっと……本当にここがジョージさんのご実家、ですか?」

「あぁ」

 そこは都内の閑静な住宅街に佇む、純和風の大豪邸。門扉からしてすごくて、私は圧倒されっぱなし。

 まず出迎えてくれたのは家政婦で、そこにも驚き。家の中は想像以上に広くて、長い渡り廊下からは立派な日本庭園が望める。

 改めて彼はアラカワ製菓の御曹司で、私とは住む世界が違うのだと思い知る。

「どうぞこちらでお待ちください。奥様と旦那様を呼んでまいります」

 そう言って家政婦が静かに部屋から出ていくと、一気に身体中の力が抜けた。

 とはいえ、通された部屋も広くて落ち着かない。飾られている骨とう品や巻物はすごく高そうだし。

 キョロキョロとしていると、隣に座るジョージさんはギュッと私の手を握った。

「大丈夫、俺がいるから」

 優しい目を向けて言われた言葉に胸が鳴る。

 そうだ、ジョージさんがいる。住む世界が違うと気後れすることなどないよね。

 現金な私は、彼の一言で気持ちが軽くなる。

 そして少しすると、廊下を歩く足音が聞こえてきた。
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