新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~
 えっ!? ジョージさん? 目の前にお母さんがいるのに、手を繋いだりしていいの?

 ひとりアタフタしていると、ジョージさんには私がなにを考えているのか手に取るようにわかるのか、クスクスと笑う。

 居たたまれなくなる中、お母さんは安心したように言った。

「丈二も好きな子の前では、そんな優しい顔になっちゃうのね」

「は?」

 顔をしかめるジョージさんを、お母さんは微笑ましい目で見る。

「やめろよ、その目。……不愉快なんだけど」

「あら、どうして? 息子と未来のお嫁さんの仲睦まじい姿を見せられたら、こんな顔になって当然でしょ?」

 そう言うとお母さんは、私に目を向けた。

「涼ちゃん、こんな息子だけどこれからもどうぞよろしくお願いします」

「こちらこそです……!」

 深々と頭を下げたお母さんに続いて、私も頭を下げた。

 これってお母さんには、ジョージさんの相手として認めてもらえたと思ってもいいのかな?

 顔を上げると、お母さんは優しく微笑んでいて、ジョージさんは握っていた私の手をさらに強く握った。
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