新婚未満のかりそめ初夜～クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする～
「仕事もできない、業務提携が絡んでいた縁談もだめにする。その挙句に、どこの馬の骨ともわからない娘との結婚を認めろなど話にならん。本当にお前は最低な息子だ！」

　バンッと机を叩くと、社長は勢いよく立ち上がった。

「とにかくその娘との結婚など認めん！　話はそれだけだ」

「待ってください！」

　踵を返した社長にたまらず声を上げる。

　だってあんな話を聞かされて、黙ってなどいられないよ。

　立ち上がると、社長はゆっくりと振り返った。

「なにかね？」

　初めて目が合ったが、冷たくて怯みそうになる。だけどここで押し黙るわけにはいかない。

　私のことはいくら悪く言われたっていい。でも私のせいでジョージさんを悪く言うのはやめてほしい。それに社長は間違っている。

　鋭い目を向ける社長と対峙した。

「ジョージさん以上に仕事ができる人など、いるでしょうか？」

「なに？」

　片眉を上げて反応を見せる社長に、思いをぶつけていく。

「私は彼を上司として尊敬しています。誰よりも真摯に仕事に取組み、部下のフォローもしてくれて、周りを気遣ってくれて。私だけではなく、彼を尊敬している社員は大勢いるはずです」

　だってジョージさんを慕う人は多いもの。
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