新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~
「誰よりも俺のことを理解してくれる。涼といると、ありのあままの自分でいられるんだ」

 どうしよう、嬉しくて泣きそう。

 鼻の奥がツンとなり、慌てて視線を落とした。

「彼女以上に好きになれる相手はいない。俺はなにを言われたって、涼以外の女性と結婚するつもりはないから」

 社長に向かってはっきりと言うと、ジョージさんは私の手を強く握った。

「行こう、涼」

「えっ? ジョージさん!?」

 強引に腕を引かれ部屋を後にする間際、目に入ったのは嬉しそうに目を輝かせるお母さんと、ただ俯く社長の姿だった。

 ジョージさんは足を止めることなく家を出ると、私を車の助手席に乗せて運転席に回り、すぐに発進させた。

「あの、大丈夫でしょうか? 帰ってきてしまって」

 結局社長には、認めてもらえていない。……いや、むしろさらに印象が悪くなったかも。夢中で色々なことを言っちゃったし。

 後悔はしてない。だって私が社長に伝えたことは、すべてが真実だから。でも……。

 思いを巡らせていると、ジョージさんはクスリと笑った。
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